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常にBeyondするための期待値調整術

Published at July 12, 2020 5:43 a.m.
Edited at July 15, 2020 1:15 a.m.

常にBeyondするための期待値調整術

常に相手の期待を超えられたかどうかを基準に自分の行動を振り返れ
最低でも期待値を超え、可能な限り感動を与えよ


『伝説の新人 20代でチャンスをつかみ突きぬける人の10の違い』

期待を超えるには

Beyond - 期待を超えよう はDPのバリューにもなっているが、期待を超えるには何をすればいいの?

答えは簡単

1. 相手の期待値を知る
とにもかくにも、相手の期待を知らずして、相手の期待を超えるなんて無茶な話だ!ってこと

2. 期待値を適切に調整する
相手の期待値を知った上で、自分の能力や状況に応じて適切な期待値調整をすることも必要
期待値を上げるコミュニケーションが必要な時もあれば、下げるコミュニケーションが必要なときもある

3. 期待値を超えるアクションをする
超えるべき期待値が明確になっていて、かつそれが適切な基準で合意されているため、
あとはその期待値を超えられるようなアクションをとればいいだけだ


では、それぞれのステップについて具体的な方法を見ていこう

1. 相手の期待値を知る

期待値調整スキルは6つの要素に分解できる

①目的 ②対象 ③役割 ④内容 ⑤品質 ⑥納期

相手とのコミュニケーションの中で上記の6つが擦り合っているかを常に確認し、把握しておく必要がある

例えば、上司から「この資料つくっといて」と言われた場合

【目的】 ex.何のために資料が必要?社内承認?顧客との打ち合わせ?

【対象】 ex.この資料は誰が見るの?

【役割】 ex.作るだけでいいの?自分がプレゼンもするの?

【内容】 ex.どういう形式で?どういう要素が必要?

【品質】 ex.どのくらいのレベルを求めてる?

【納期】 ex.いつまでに作らないといけないか?

このようなコミュニケーションを通して、相手の期待値を正しく把握しよう

2. 期待値を適切に調整する

相手の期待値が、自分の能力や状況を鑑みた時に適切でないと感じた場合は、
適切な期待値になるように事前に調整することが重要だ

期待値調整はできれば「依頼されたその場で」遅くとも「依頼から24時間以内」に済ませておこう


ピザ屋の出前で例えると、配達にかかった時間が同じ45分だったとしても、
事前の期待値調整次第で相手の反応は全く変わってくる

通常時の配達
「今から30分程でお届けします」 ←納期の期待値を伝える行為

【期待値超え】 15分で配達に来る 「めっちゃ早いね」 ←感動

【期待値未達】 45分で配達に来る 「ふざけんじゃねえ」 ←失望
混雑時の配達
「本日は大変込み合っておりまして、お届けまでに60分程いただきます」 ←納期の期待値を伝える行為

【期待値超え】  45分で配達に来る 「意外と早いじゃん!」

相手の期待値に納得できなかったり、明らかに期待値の達成が厳しそうだと感じた場合は、

事前にきちんと自分の状況や考えを伝えて、期待値を適切な基準へとコントロールしよう

そして場合によっては「引き受けない」という選択も大事だ


それでは、期待値調整の6つの要素ごとに、具体的な期待値調整方法を紹介していく

①目的

仕事をする上でなによりも重要なのは「目的」だが、目的が不明瞭な仕事は意外と多い

a. 依頼者の中でも「なんとなくやったほうが良さそう」程度で目的意識が薄かったり
b. 人から人への伝言ゲームで、依頼者自身も「目的をよく理解できていない」ケースがある

a.のケースは、依頼者と一緒に目的を整理するところから始めよう
場合によっては「やっぱやる必要なさそう!」と頼まれた仕事自体がなくなるかもしれない

b.のケースでは、可能であれば「依頼の起点となる人」に直接聞きに行くのが一番手っ取り早い
自分に頼んできた依頼者と一緒に確認しにいけば、誰にも角が立たず、
また、関係者全員の認識を同じ場で揃えられるので良いだろう

目的が曖昧な仕事は、無駄が多い
仕事を引き受けるからには、目的をしっかり理解しよう

②対象

同じテーマの資料でも、対象によって必要とされるものは全く変わってくる

  • 対象となる相手は?
    同じチームの人が見るだけなら、共通認識事項は割愛して良いが、
    社外の人が見るのであれば、前提事項の説明から必要だし、専門用語には注釈が必要になる

  • 対象となるシーンは?
    大会議室でスクリーンに映すプレゼン資料なら、細かいテキストは使わずに、簡潔にわかりやすくすべきだ
    印刷する配布資料なら、背景色は使わない方が良いし、相手が後から確認する用に細かい説明がある方が良い

自分のアウトプットがどのようなシーンで使われる想定なのか確認しておこう

③役割

「◯◯について議論したいから準備よろしく」と言われた場合、あなたなら何をするだろうか?

自分の役割をどう捉えているかによって、アクションは変わってくる


自分の役割を「議論の場の設定」に置いていれば、
関係者のカレンダーにmtgをセットして、会議室を抑えて終わりだろう

自分の役割を「議論の進行」に置いていれば、事前に論点整理・議事録の用意なんかをしておくはずだ

自分の役割を「より良い意思決定」に置いていれば、
議論のための事前調査や参考資料の用意まで済ませておくかもしれない

任された仕事において、どのような役割を期待されているのか?しっかり確認しておこう


ここで「期待値を上げにいく」コミュニケーションを積極的にとっていくと、
仕事のチャンスはどんどん広がっていくだろう

例えば「プレゼン資料を作ってくれ」と頼まれた場合、あなたの役割は「資料作成」であるわけだが
そこで「もし良ければプレゼンするのも任せてもらえませんか?」と聞いてみる

たとえその時は断られてしまったとしても、ダメでもともと、別に残念に思わなくてよい
「お、こいつはなかなかやる気があるな」と思ってもらえれば
次に似たような機会があった時に声をかけてもらえるかもしれない

自分の役割範囲を超えてどんどん挑戦していきたい人にとっては、
意思表明するだけで、新しいチャンスに巡り会える可能性が高まるのだから、やらない手はない

④内容

仕事を依頼される時、相手の頭に既になんとなくのアウトプットイメージがあることも多い
その場合は、なるべくそれを相手から引き出すことが重要だ

ゼロから一生懸命自分で考えてみることも時には重要だが、
効率的に仕事を進めたいなら、使えるものは使っておいた方が良い

ex. 類似のものはあるか?(この資料みたいな感じで!など、共通イメージがあるとコミュニケーションが楽)

ex. どんな構成が良いのか?(手書きでラフ図などのイメージを書いてもらうと伝わりやすいかもしれない)

ex. どんな要素が必要か?(外しちゃいけないポイントを事前に押さえておくと、手戻りが少なくなる)

ex. どんな形式が良いか?(ExcelかSpreadsheetか?ファイルで送るかクラウドに上げるか?など)

上のようなものが、もし相手の頭の中に既にありそうであれば軽く聞いてみよう

「内容はゼロベースで考えてほしい」という期待値の依頼も当然あるが、
その場合は、①目的・②対象から適切な内容を考えて提案してみよう

大事なのは、会話の中でお互いのアウトプットイメージが具体的に擦り合っていくことである

⑤品質

品質とコスト(ここでは作業に使う時間)は、トレードオフの関係にある
もちろん時間を多く投資すれば多少品質は上げられるだろうが、
一つの仕事にかまけていて、他の仕事が疎かになっては意味がない

一生懸命に作り込んだ資料を自信満々に提出したが、なぜか上司の反応は芳しくない…
実は上司の方は
「ここまで作り込まなくて良かったのにな〜。この仕事にこんなに時間かけられるなら、他の仕事お願いしたかったな…」
と思っていた。

なんてすれ違いはよくある話である

品質の期待値調整をする時は
「どのくらいの時間をかけて、どのくらいの品質にすべきか」
をセットで確認するようにしよう

ex. 「これは大事だから、他の仕事ストップさせて丸1日かけていいから、しっかりしたもの作って欲しい!」
ex. 「一旦次のmtgで叩きがあれば良いから、1時間くらいでサクッと作ってくれればいいよ!」

また、期待値の達成が自分の能力では厳しいと思えた場合は、相手に意図を確認してみるといいかもしれない

もし、相手があなたの能力向上を意図してあえて高い玉を投げている場合は、
「チャレンジ目標である」と理解した上で、必死に食らいついて頑張ってみれば良い

一方、相手が単純にあなたの能力値をよく知らないまま、高すぎる期待値を設定している場合もある
その場合は安易に引き受けてしまうと、期待値を下回り相手を失望させる恐れがある
事前に期待値を下げにいくか、場合によっては、その仕事は他の人に任せる方が懸命かもしれない

⑥納期

納期に間に合いそうもない場合は、事前の調整が必要である

まず、なぜその納期でやる必要があるのか確認する 
特に急ぐ理由がない場合、納期の延長を申し出よう


納期がずらせない場合、とるべき方法は2つある

1つは、その仕事の他の要素で調整する

③役割: 他のメンバーもアサインして作業を分担して、自分の役割を減らそう

④内容: 削れる要素がないか?を考えて、マスト要件だけを集中して終わらそう

⑤品質: 限られた時間内で実現すべき現実的な品質の基準を探そう

もう1つは、自分の持っている他の仕事を調整する

仕事の優先順位は、常に他の仕事との兼ね合いである
頼まれた仕事の優先順位が高い場合は、他の仕事の優先順位を下げる方向で調整しよう

上長/依頼者が同じ場合は交渉はシンプルだが、異なる場合はなかなかハードかもしれない
しかし、他の仕事も事前にきちんと期待値の把握ができていれば、
調整しやすい仕事はどれなのか、自ずとわかるはずだ

期待値調整は、すぐに、こまめに

さて、ここまで具体的な期待値調整方法について話してきたが、
期待値調整は頻度とタイミングも非常に重要である。

期待値調整は、こまめにやるのがオススメ!


なる早で方向性が合っているか確認
任された仕事が大きく抽象的なものであるほど、こまめな確認が肝になってくる

進捗10%くらいでまず見せて、方向性が擦り合っているか確認する
(依頼されたその日のうちに、ここまでサクッとできると期待を超えやすい)

ex. ドキュメントなら、大項目だけ書き出して、詳細を書き出す前に見せにいく

ex. プレゼン資料なら、目次だけまず作って、中身を作る前に構成の認識を合わせにいく

ex. エクセル表なら、箱だけまず作って、数字を入れる前にイメージをすり合わせる

作業の序盤にこの確認作業さえしておけば
「求められているものと見当違いのものを一生懸命時間をかけて作っていて、全て無駄になってしまった」
なんていう不幸なすれ違いは防げるはずだ


こまめに基準が擦り合っているか確認

方向性が擦り合ったら、荒くて良いので中身を作って見せにいこう

ex. 「一旦作ってきましたがA,B,Cの観点を擦り合わさせてください、基準擦り合ってますか?
   自分はこれくらいのレベルだと思ったんですが、このアウトプットのレベルで大丈夫ですか」

口頭で伝えられた基準と実際に求められるアウトプットの基準には差があることを想定して、
早めに確認しに行くことが重要になってくる

これによるメリットは3つある

①納期内での品質担保
自分のアウトプットと期待値のギャップを早めに知ることで、納期までの残り日数で修正することができる
納期ギリギリに持っていくと、修正があった場合に間に合わない

②失望のリスクコントロール
軽い雑談ベースでフィードバックをもらいにいけば
もしアウトプットが期待値を大きく下回っていたとしても、相手を失望させずに済むだろう
相手が暇そうな時を見計らって「ちょっと軽く見てほしいんですが」と話しかけよう

「事前確認mtg」などオフィシャルな場を設定してしまうと
「mtgを開くからにはそれなりのものを作ってきたんだろう」と相手の期待値が自然と上がってしまうので、できればアンオフィシャルな場で済ませたい

③無駄な作業のカット
事前確認時に「これでOK!」となった場合、残りの日数でやろうと思っていた仕上げ作業がいらなくなる
その時間を別のやるべきことに回せるので、仕事の生産性が上がる

3. 期待値を超えるアクションをする

期待値調整のフレームワークとして
①目的 ②対象 ③内容 ④品質 ⑤役割 ⑥納期 を紹介したが

期待値を超えるためには
⑥納期 ④品質 ⑤役割 の3つを意識するといい

例えば上司から「この資料つくっといて」と言われた場合

【納期】 ex.依頼された翌日に完成させる

【品質】 ex.テキストだけでなく、表や図解などを使って伝わりやすいように工夫する

【役割】 ex.プレゼン資料に加えて、プレゼン時の想定問答集も作っておく

納期で期待を超えにいくのが一番やりやすい
アウトプットに自信がないうちは、とにかくスピードを重視して信頼を積み上げよう

品質で期待を超えにいくには、自分のスキルレベルを上げていく必要がある
周りのすごい人を真似したり、自分で調べて勉強したりして、徐々にレベルを上げていこう

役割で期待を超えにいくには、
「仕事の依頼者の立場に立ってみる」「自分より1つ2つ上のレイヤーで物事を考える」
などをしてみると、見えてくるものがあるかもしれない


場合によっては、この3要素以外のところで期待値を超える余地がある場合もあるだろう
日々のひとつひとつの仕事で「どうやったら期待を超えられるか?」を意識して、常にBeyondしていこう!!

まとめ

  • 相手の期待値を正しく知らないと、期待を超えることはできない
  • 6つのポイントを意識して、期待値を適切に調整しよう
  • 期待値調整は、仕事を依頼されたらすぐに・こまめにしよう
  • 3つのポイントを意識して、期待値を超えていこう

参考記事



※このドキュメントは、株式会社ドクターズプライムの社内ドキュメントをそのまま一般公開しています。
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